2006年07月

能登カフェ 夏

午後になって大雨警報が解除されたので、
いそいそと能登カフェへ。
ちょうど、おやつの時間が終わった頃で
カフェはたくさんの人の出入りしている真っ最中。
お忙しいときにすみません、とご挨拶。

ムシャリラ・ムシャリロは、
能登カフェのオーナー、
千さんに多くの影響を受けています。
能登カフェさんが立ち上げ段階の「能登カフェ企画」
だった頃からメルマガを購読。
ひととつながる、というのが自分のテーマだと
自覚しはじめた頃です。
それはやがて、食とモノガタリに関わる何かをはじめたい、
という思いに凝っていきました。

千さんのめざしているもの。
ほんとうによきものをひろめていきたい、という思いと、
時間と場所をこえてそれらとひとを結ぶ役割を
引き受けること、だと私は拝察しています。
「能登島の知恵袋を目指す」とhpで拝見したときは、
横手を打ちました。
能登カフェさんに惹き付けられてやまない理由は、
それが開かれた存在であることだとも思っています。
その魅力的な渦に、私も巻き込まれたい。
と思い、そして、いろんな歯車が回りはじめたのです。
(初めての能登カフェ訪問記は コチラ

今回は、うれしいお話がありました。
10月14・15日、能登島weランドで開催予定の
「クラフトフェスタ2006 のとじま手まつり」
(詳細は http://www.tematsuri.com/)で、
能登カフェさんと共同出店になりそうです。
能登カフェさんは飲み物や甘いもの、
(む)は、野菜をたのしむ小さなお弁当を出品予定。
この件については、詳細次号。

さて、夏の能登カフェ。
梅ジュースと黒豆みつまめを選択。
しつらいでは、小さなグラスに入った濃い色のアジサイが
印象に残っています。
やはり野に置けなんとやらという言い回しもありますが、
手折られた野花が持つモノガタリをたのしむのは格別。
夕方の風が海に面した窓から吹き抜け、
虫の声が聞こえるばかり。
どこからか灯に寄る虫のように、車は静かに入ってきます。

草刈りをしないと叱られる、と笑う千さん。
この風情が価値あるものなのに、と思う私は余所者ですが、
千さんと能登カフェがしっかり能登島の一部になり、
能登島の風土から多くのものを受け取りつつ、
一方で人々の意識に(能登のひとたちに、そして外来者に)
働きかけていると感じることができます。

青大豆や木のスプーン、創刊されたばかりの
「notojima Oine(オイネ)」をお土産に、
能登カフェのボックスオーナでもある
七尾は「高澤ろうそく店」へ。
ルネッサンス以前のイタリアのイメージだと、
南部鉄の燭台と不思議な形の白い蝋燭を購入
(帰宅後、相方に「仏(ブツ)だ~、バリだ~」と
 ひやかされる)。
帰り道のパーキングで七尾産焼き鯖寿司とみそまんじゅう、
地物野菜を買うのは既に定番。

金沢に入ってしばらくすると、
犀川河畔で打ち上げられている花火が陸橋から見えました。
街の灯の向こうに無声で小さく見えるヒカリノハナに、
夢野久作風味の切ない気持ちをひきだされつつ。
人はひとりだけど、
ゆるやかにつながることができるのは、いいな、と
何となく思いながら、小さな車を走らせたのでした。
お店続けてね、とお客様にいただいた言葉を
胸に辿りつつ。
お店をはじめて、1ヶ月が経ちました。

7月25日~28日のお弁当ご報告と、次週予告

とうもろこしとレンズ豆の炊き込みご飯
旬のとうもろこしを、コンソメのようにいい出汁のでる
レンズ豆と一緒に炊き込みました。
ごはんと馴染むよう小粒のものを、と八百屋さんにお願い。
小口注文なのに、いつも聞いてくださってありがとう。
お米はおいしい「お米のまつもと」さんの
無農薬有機栽培の能登ヒカリです。

照り焼きテンペと
ささげ、つるむらさきのピーナッツ生春巻
テンペは大豆を発酵させたもので、インドネシアの納豆と
言われています(国産大豆のものを使用)。
実は納豆が食べられない(む)なのですが、これは大丈夫。
油で揚げて、さらに三河のみりんで照り焼きにしました。
ささげはインゲン豆の長ーいやつをイメージしてください。
今年は天候に恵まれませんでしたが、
いい年は1メートル近くにもなるのだそうです。
インゲン豆からきしきし感を取り去り、
豆まめしさ増量のイメージ(伝わるかしら?)。
茹でたつるむらさきと一緒に、無糖ピーナッツクリームで
和えました。
(ムシャ弁は、無糖です。
 甘いものは、無精白糖類(マクロビ許容範囲)を使用)

茄子の麻婆風
ひき肉風の正体は、生姜+玉葱+人参+椎茸。
麦味噌を加えてコクを出します。
能登の長茄子にはなたね油をなじませて、
柔らかくなるまで火を通します。
ぴりりと辛いのは、イタリアの島とうがらし。
2センチ長の小ぶりですが、いい仕事してくれてます。
辛い!と泣いた方も若干名…ごめんなさい。

ミニオクラとかぶのサラダ
「これ(む)さんきっと好きですよ」と、
既に八百屋さんに傾向を掴まれている様子。
お勧めのミニオクラ、いかがでしたか?
かぶは、ノンアルコールの玄米甘酒と有機りんご酢、
カレー粉でマリネしました。

スプラウトのサラダ
かぶのマリネに合わせて、
ちょっとぴりりとするスプラウトを選びました。
マスタード、クレソン、そばの芽、ブロッコリーなど。
スプラウトに執着している理由。
実はこのスプラウトたちの生産工場、実家の近所なのです。
高校時代同級生がアルバイトしていたりして、
心理的距離が短いのであります。
物理的にはだいぶん離れてますが…。

桃の白ワインゼリー
桃をイタリアのビオワインで煮て、寒天でふるふるゼリーに。
ぎりぎり固まってるかな~、いや固まってないんじゃ?
ぐらいの限界加減は、(む)の個人的好み。スミマセン。
山梨からやってきた桃は、
実はお客様の親御さんが丹精されたもの。
娘のために…というストーリーを大切に受け取り、
心込めてご用意させていただきました。

次週予告
大切なお知らせ
次々週、むしゃ弁は夏休みをいただきます。

お弁当600円
青じそと白ごまの混ぜご飯
(しそが苦手な方は、
 かぶの葉の混ぜご飯をお申し付けください)
さつまいもと玉蜀黍の揚げ物
茄子とザーサイと春雨のさっぱり和え
高野豆腐と蒟蒻と枝豆のこってり和え
ミニトマト、ペコロス、みょうがの甘酢漬け

甘いもの100円
ごまプリン

店内用甘いもの100円
山梨桃のアイスクリーム、またはシャーベット

店内ご紹介 その2

hasi-oki.gif

箸置きinイタリアグラス。
水がこぼれてそのまま固まったような大振りの箸置きは、
ガラス作家 西山芳浩氏の作品。
お箸たちの生みの親、ナユキソノヨさんのご紹介で。
偶然、以前から西山氏の小さなコンポート皿を
自宅用お刺身皿にしており、ご縁によろこぶ(む)。
静かに眠る動物の毛並みのような輝きを持つ作風だと、
私は思っています。
ナユキさんの作品の強さを、
柔らかに且つがっちりホールド、という感じ。
ハンドペイントの容れ物は伊太利土産。
薄暗いカウンターの奥の方で、
ヒカリを集めてきらきらしています。


mini-grass.gif

光り物、その2。小さなガラスのコップ。
お茶(フリードリンク)はこれでお出ししてます。
小さいので何度も注ぎ足しつつ(ご迷惑をおかけしてます)。
お茶はその日の気分で、
昔ながらの砂炒りで濃い香りの麦茶、
ダージリンやアッサムの水だし冷茶、加賀棒茶など。
隣の小盆はお会計用。「木工・漆 河南」さんの作品。
奇麗な艶。杉の木って軽いんですよ。


gohan-rei.gif

店内でのお食事は、こんな感じ。
お箸は、その日の気分でお選びいただきます。
いろいろお試しの方や、「いつものアレ」の方。
お時間ある時はぜひ。ゆっくりお寛ぎください。
(火曜日/木曜日は、駐車場がご用意できます)


kan-ban.gif

外の看板大小は、相方がデザインしてくれました。
店内お食事用のお皿とお盆のコーディネートも。
なんかそういうの好きみたいです。
町内の「花いっぱい運動」みたいなのに、
ささやかながら参加。今期はマリーゴールドですって。
お隣の大家さんが、丹精してくださってます。

l.v.にて

いわし、オレンジ、レーズンの甘酢漬け
(水牛モッツァレラとトマト)
夏野菜のペペロンチーノ
仔ガモのロースト バルサミコ酢のソース
バナナのミルフィーユ、オレンジのパルフェ
(レンズ豆のミルクレープ、オレンジのパルフェ)

ガヴィ@ヴァナリウス

コルテーゼ種にしてはきわだって華やかな甘みで、
最初の一口ではシェフに「フルーティ過ぎましたか?」と
訊ねられるような顔をしてしまった。
でも、それはワイン単独ではなく、
全体に薄甘い感じの献立との相性を考えてのチョイス。
実際、甘みと酸味の強調された皿たちの組み合わせに対し、
そのために作られたような一本だと感じ入ることになった。

斯様に彼の選択はいつも的確で構築的なので、
「料理に合うものを」とお任せにして
何が出てくるのかをわくわくして待つことにしている。

いわし、さば、鰺などに目のない(む)@ネコ科魚嘗属。
小さないわしをフリットにして、丁寧にマリネした一皿は
しみじみおいしい。たらりとオリーブオイルを垂らして、
カウンターの端に置くシェフ。
ムシャリラ店舗では、その週に使用する調味料や食材を
カウンターにディスプレイしているが、
それはここに影響されていたのかもしれない、と
そのとき思った。
ラム酒のような薄い四角い瓶に入ったオイルを
手にとってラベルを眺めたい、と思ったが
席から遠いので断念。
それでも、シェフがさしだす皿がまっすぐに
自分に向かっているようなライブ感は十分たのしんだ。

今日の一皿は、夏野菜のペペロンチーノ。
ぽつぽつと切られたズッキーニ、パプリカ、ヤングコーンと
ペペロンチーノという、この上なくシンプルな組み合わせ。
でもあきらかに、
ここでしか食べられない技量の高さを見せつけられる。
今、この季節を、この場所でたのしむこと。
たのしませてくれるお店があり、
一緒にたのしんでくれる相方がいること。
幸福な週末の時間が、夏の夜に溶けていく。

7月18日~21日ご報告と次週予告

輪島三井の無農薬有機米
さらっとした甘みの能登ひかりを使用。
圧力をかけて炊くと、ぷちむちっとした歯応えになります。
輪島の「お米のまつもと」さんのおいしいお米です。

つるむらさきと厚揚げのココナツカレー煮
つるむらさきは今が旬。
少しぬるっとした歯応えが気にならないように、
ココナツで煮てみました。この無添加ココナツミルクは、
とても濃厚。一嘗めで気に入り、以来甘いものから
スープまで使い倒しています。
カレーに使うスパイス各種から、コリアンダーなど
さっぱり系を4種ほどチョイス、辛みの軽いカレー風味に。
癖のあるナンプラー(動物性でもありますし…)の
かわりに金沢大地の有機薄口醤油を使い、
どこか馴染みのある感じを狙いました。

とうもろこしと玉葱のお焼き
とうもろこしも同じく旬。そろそろ梅雨明け?
という感じの暑い日々、甘い食べ物でほっと一息。
スライスした玉葱からじわっと滲みでる水分だけで、
じっくり焼きました。

ズッキーニと豆乳カッテージチーズのマリネ
檸檬とオリーブを一緒に圧搾した、とてもいい香りの
オリーブオイルでズッキーニをロースト。
焼いている時は厨房中に香りがひろがり、幸せな気持ち。
有機りんご酢と豆乳カッテージチーズでマリネに。

松任の赤皮甘栗南瓜のマッシュ、そばの芽と水菜を添えて
毎週登場している加賀野菜、赤皮甘栗南瓜。
塩を少しのシンプルなマッシュに、炒りくるみをぱらり。
赤い茎がかわいいそばのスプラウトで
色味をたのしんでください。

麦羊羹
関西でははったい粉、関東では麦こがし。
大麦を炒って粉にしたもので、おなじみ波照間黒砂糖と
合わせて羊羹にしてみました。
押し麦を麦芽糖で炊いたものをトッピングして、
素朴なおやつの時間。
甘いものに合わせて、今週の冷たい飲み物(free drink)は
長野の砂炒り麦茶でした。
昔ながらの手法でつくられた濃い風味と強い香りは、
ほんとうにおいしい。

赤皮甘栗南瓜のアイスクリーム
店内限定の甘いもの。この南瓜の甘みと相性のいい、
メープルシロップを加えたシンプルな構成。
ご好評いただいたので、来週もひきつづきつくります。

7月25日(火)~28日(金)予告
お弁当600円
とうもろこしとレンズ豆の炊き込みご飯
照り焼きテンペとつるむらさきのピーナッツ生春巻
茄子の麻婆風
ミニオクラとかぶのサラダ


甘いもの100円
桃の白ワインゼリー

お客様のご両親が丹精された桃を頂くことになりました。
イタリアの有機白ワインと合わせ、
香りをたのしんでいただくゼリーにしようと思います。
大切につくります。
プロフィール

drecom_musyarira_m...

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ